ゲリラ豪雨・台風に備える|2025年最新の水害事例と対策まとめ

ここ数年、「観測史上最大級」と呼ばれる豪雨が全国で相次ぎ、都市部でも短時間で道路や施設が冠水する事例が増加しています。ゲリラ豪雨や台風による集中豪雨は、排水設備の能力を超え、住宅・オフィス・インフラ全体に甚大な被害をもたらしています。

本コラムでは、施設・企業が取り組むべき止水・吸水対策と、現場で即時手配可能な実用アイテムを専門的視点でご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

都市部では浸水被害そのものではなく、被害後の対応が大きな課題となっています。以下に、公的発表された事例をまとめました。

 

東京都内:短時間豪雨による氾濫・浸水リスク

発生日:2025年7月10日
関東甲信で記録的な線状降水帯が発生し、都内では1時間に100〜120mmの猛烈な雨が断続。渋谷のスクランブル交差点やJR高架下など複数の主要道路が冠水し、帰宅ラッシュ時に交通網が麻痺。横浜ではマンホールが飛び道路が陥没するなど、広範囲で被害が相次ぎました。
(参考:テレビ朝日「都心大冠水 帰宅ラッシュ混乱 渋谷駅は雨漏りで大混雑も」)

東京都世田谷区など:記録的な降水で交通網にも影響

発生日:2024年8月21日
東京都世田谷区では1時間に52.5 mmの猛烈な雨が降り、山手線など鉄道が一時運転見合わせ。消防には「車に取り残された」といった通報が複数寄せられました。
(参考:朝日新聞「東京都内、100ミリ超の猛烈な雨 山手線一時運転見合わせ、冠水も」)

北海道江別市:道路・駐車場の冠水

発生日:2023年8月8日
局地的な大雨により、江別市内の道路や商業施設の駐車場で冠水被害が発生。市職員や事業者が高圧洗浄や排水作業を行う様子が報じられました。
(参考:北海道 NEWS UHB「まるで池のように…北海道内で「ゲリラ豪雨」 江別市で “冠水” 相次ぐ…低気圧や上空の寒気の影響で大気の状態が不安定に」)

このような地域別の実例は、「どこでも起こりうる災害」であることを示しており、すべての施設・現場において、事前の備えと緊急対応体制が求められています。

 

建物への浸水は、以下のような意外な侵入口から発生します。

  • 出入口(スロープ・段差なし・巻き込みドア)
  • 排水口・グレーチングの詰まり/逆流
  • シャッター下隙間
  • 換気口や床下の通風口
  • 地下施設・ピット部の階段やエレベーターシャフト

特に、都市部の商業ビルや駐車場では、「わずかなすき間・段差」が大雨時の水圧では簡易に浸水経路となる事例が多発しています。

 

浸水被害はなぜ起こる?主な侵入経路と構造的要因

対策は「止水」「吸水」「排水」の3本柱で考えることが基本です。重要なのは実施可能な状態に準備しておくこと。備品は現場で即取り出せる場所に常備し、誰がいつでも使える状態にしておくことが命を守る備えになります。

止水(侵入口対策)

  • 止水テープ、水のう、簡易止水ブロックで物理的にブロック
  • シャッター・ドア床面の隙間には柔軟材や段差設置

吸水(床浸水緩和)

  • 吸水マットや土のう型吸水材を常備し、即時設置できる準備
  • 電気設備周辺に保護用吸水材を敷いて二次被害を予防

排水・逆流対策

  • 排水口に網を設置し、落ち葉・ゴミ侵入を防止
  • 排水ポンプ・逆止弁を点検・設置し、運用前に作動確認を実施

 

一番のポイントは、「対策する」ことではなく、「すぐに実行できる状態に整えておくこと」。止水材や吸水材は、手が届く場所に常備し、誰でも取り出せる状態にしておくことで命を守ります。

 

ゴムノイナキ【みずからまもる君】

自重×水圧でしっかり止水
止水板の底面に、水圧によって潰れることで止水性能が高まる特殊スポンジ(パッキン)を採用。増水時には水の力で地面に押し付けられるため、軽量ながら高い安定性と止水性能を発揮します。土のうの33分の1という極めて低い漏水量を実現し、1.5kgという軽さで設置・撤去も簡単。複数枚を重ねて収納できる省スペース性も魅力です。ただし、完全防水ではなく、設置面の凹凸やひび割れがある場所では効果が低減する恐れがあるため注意が必要です。

 

  

  

エーエムプロダクツ【ピグ アンチミルデューソックス】

カビに強く、再利用可能な吸水ソックス
冷蔵庫・冷凍庫の結露や水漏れ対策にも活躍する、水専用の吸収材。ポリプロピレン製の素材はカビの繁殖を抑え、最大3回まで再利用可能。絞って乾かすだけで吸水性が復元され、繰り返し使っても型崩れしにくいため、臭いの発生も抑制できます。柔軟性のあるチューブ状設計で、壁際やコーナーなどにもぴったりフィット。裂けにくいカバー構造で耐久性も兼ね備えています。※天日干しや乾燥機の使用は避け、再利用は3回を目安にしてください。

  

  

 

エーエムプロダクツ【ピグ 吸水マット】

繰り返し使える、環境配慮型の吸水マット
雨漏りや浸水、軽微な水漏れ対応に最適な吸水マット。吸収部分にはリサイクルセルロース(木材パルプ)を使用しており、環境に配慮した設計です。1枚あたり約858mlの吸水力があり、絞って乾かすことで繰り返し使用可能。表面は丈夫なポリプロピレン不織布で、破れにくく扱いやすいのも特長です。雨天時の出入口や倉庫内、窓際などさまざまなシーンで活用できます。