
浴室でよく見かける白い汚れ、それは「エフロレッセンス(白華現象)」かもしれません。これはタイルやモルタルに含まれる可溶性カルシウム化合物が、水分と共に表面に移動して再結晶化した現象です。放置すると排水不良やタイル剥離の原因となる恐れがあり、専門知識と技術を持つ清掃業者による対応が不可欠です。
本コラムでは、エフロの発生メカニズムから、素材別対応について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
INDEX
1.エフロとは?
2.材質別に異なる「リスク」と「除去方法」
3.素材と汚れに応じて選ぶ、浴室エフロ対策の洗剤3選
エフロとは?
エフロとは、水分と共に移動したカルシウムやナトリウムなどの可溶性塩類が、乾燥に伴って表面に析出した白い粉状・結晶状の汚れのことを指します。モルタルやセメントの隙間から水が染み出し、可溶性塩類が移動して空気中の二酸化炭素と反応すると炭酸カルシウムなどが析出します。
浴室環境では、常に高湿度が保たれるため、特にエフロが発生しやすく、床の角や排水周り、壁の目地などで白い結晶が確認されることが多く見られます。放置すると、内部への水分侵入を招き、排水不良やタイルの剥離・剥落につながる恐れがあります。
材質別に異なる「リスク」と「除去方法」
浴室にはタイル・モルタル・人工大理石・天然石などさまざまな素材が使われていますが、それぞれに適したエフロ除去法が異なります。
磁器タイル+モルタル目地
磁器タイルは耐酸性が高いため、エフロ除去には塩酸系などの酸性洗剤が使用可能です。ただし、目地に使われるモルタルは酸に弱く、放置時間や濃度設定を誤ると目地の劣化を招く場合があります。そのため、使用前に壁面上部または背面パネルなど目立たない箇所で反応テストを行い、変色や劣化の有無を確認することが現場の安全策として非常に重要です。
人工大理石(浴槽・洗面器材など)
人工大理石は塩素系・酸性剤に弱く、中性洗剤とポリッシングパッドによる物理除去が基本です。軽度のエフロであれば、中性洗剤を塗布して一定時間放置し、細かいパッドで丁寧に磨くだけでも効果が得られ、素材への負荷も少なく済みます。
天然石(御影石・大理石など)
御影石は一部酸性剤に耐性があるとされますが、含有鉱物によっては酸により光沢や色調が損なわれる場合があるため、酸剤使用は慎重に判断し、必ず反応テストを実施すべきです。大理石はさらに酸への耐性が低く、酸剤は原則使用不可。パッド研磨+石材専用中性剤による対応が推奨されます。
素材と汚れに応じて選ぶ、浴室エフロ対策の洗剤3選
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