秋は紅葉が街を彩り、季節の移ろいを感じさせてくれる美しい時期です。しかし、施設管理の現場では、そんな風情とは裏腹に、落ち葉との格闘が本格化する季節でもあります。
オフィスビルのエントランスや商業施設の駐車場、公園、マンションの共用部など、ほぼすべての屋外施設で、毎日のように落ち葉が発生します。イチョウやケヤキなどの広葉樹は、1本で一シーズンに数十キログラムもの落ち葉を落とすとされており、複数の樹木がある敷地では、わずか数日で膨大な量に達することも珍しくありません。
こうした落ち葉は、景観を損ねるだけでなく、雨天時には排水口を詰まらせたり、濡れた路面に残ることでスリップ事故の原因となるなど、放置すればさまざまなリスクを引き起こします。そのため、清掃業者や施設管理者にとって、秋の落ち葉清掃は避けて通れない重要な業務であり、日々多くの時間と労力を費やすことになります。
本コラムでは、落ち葉清掃が現場にとって大きな負担となる理由を整理し、作業を効率化するための視点や、役立つ清掃ツールをご紹介します。秋の清掃業務を少しでも快適にするヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ秋の落ち葉清掃は負担になるのか
秋になると、想像以上に大量の落ち葉が発生し、清掃の頻度を増やさざるを得なくなります。たとえばケヤキ並木が続く歩道では、わずか一週間放置するだけで、ゴミ袋がいくつも埋まるほどの落ち葉が積もることもあります。特に人の出入りが多い商業施設や公共スペースでは、一日でも放置すれば景観が大きく損なわれるため、現場ではほぼ毎日、落ち葉清掃に追われるのが実情です。
落ち葉の問題は、見た目だけにとどまりません。濡れた落ち葉は路面と靴底の摩擦を低下させ、転倒事故のリスクを高めます。高齢者や子どもが利用する施設では、特に注意が必要です。また、雨どいや排水口に詰まると水の流れが妨げられ、建物や舗装面に浸水や劣化を引き起こす恐れもあります。こうした影響は、施設全体の安全性や機能性を損なう要因となり、放置することで管理業務に深刻な支障をきたしかねません。
施設管理者にとっても、落ち葉清掃は大きな負担です。通常の清掃業務に加えて落ち葉処理を行うことで、時間と人手の両面で業務が圧迫され、現場では対応に追われる日々が続きます。これは人件費の増加にも直結し、年間を通して見れば施設運営コストに無視できない影響を与える要因となります。特に10月から11月のピーク時には、午前中に清掃を終えても午後には再び同じ量の落ち葉が積もり、まるで終わりのない作業のように感じられることも少なくありません。
このように、落ち葉清掃は単なる日常業務ではなく、現場にとって大きな負担を生み出す季節的な課題です。だからこそ、効率的な作業方法の工夫や、現場に適した清掃ツールの導入が欠かせないのです。
効率的な落ち葉清掃のアプローチ
落ち葉清掃を効率化するためには、まず「どんな道具を使うか」が大きなポイントです。従来のほうきとちりとりによる手作業は、狭い範囲では十分に機能しますが、広い駐車場や歩道などの広範囲では、時間も人手もかかりすぎてしまいます。そのため、最近では機械や専用器具を導入する現場が増えています。
代表的な機器としては、「スイーパー」や「ブロワ」が挙げられます。スイーパーは、押して歩くだけでブラシが回転し、落ち葉を効率よく回収できる清掃機械です。ほうきで掃除する場合と比べて、同じ面積を数分の一の時間で清掃できます。ブロワは、風の力で落ち葉を一方向に吹き寄せる道具で、広い敷地や凹凸のある地面の前処理に効果的です。
また、回収した落ち葉の「処理方法」も効率化の鍵を握ります。大量の落ち葉をそのまま袋詰めするのは手間がかかるため、ゴミ袋をセットできる専用ちりとりや、大容量の布製コンテナを活用することで、集めた落ち葉をそのまま運搬・廃棄までスムーズに行えるようになります。現場によっては、粉砕機能付きのブロワを使い、落ち葉を細かく裁断して体積を減らすことで、処理に必要な袋の数を大幅に減らす工夫も見られます。
さらに効率化のためには「作業時間帯の工夫」も欠かせません。例えば、人の出入りが少ない早朝にまとめて清掃すれば、通行人との接触を避け、安全かつ効率的に作業が行えます。また、落ち葉は乾いた状態の方が軽く扱いやすいため、雨上がりを避けるだけでも作業負担が大きく変わります。
このように、清掃機器や専用アイテムの導入、そして作業方法や時間帯の工夫を組み合わせることで、落ち葉清掃の負担は大幅に軽減することができます。重要なのは「従来の方法に固執せず、現場の規模や条件に最も合った手段を選ぶこと」だと言えるでしょう。
アイテム
アプソン【ちり取りフゴ】
丈夫で大容量、持ち運びもできる落ち葉回収バッグ
公園や庭などの落ち葉清掃に特化した、耐久性に優れた回収バッグです。厚手の生地を使用しており、枝や落ち葉に直接触れることなく収納・運搬が可能。上部・側面・後部の3か所に取っ手が付いているため、移動やゴミ出しもスムーズです。開口部にはプラスチック板を内蔵しており、口が閉じにくく作業効率が向上。ちり取りのように地面に置いて掃き入れやすい設計で、そのまま持ち運べます。耐荷重は20kgと余裕があり、造園業や公園管理、寺社の境内清掃など、大量の落ち葉を扱う現場で頼れるアイテムです。
テラモト【ちりとり捨楽】
ゴミ袋をセットするだけ。手軽に使える大容量チリトリ
市販のゴミ袋をそのままセットできる、シンプルで実用性の高い清掃ツールです。大きな掃き込み口が特徴で、落ち葉やかさばるゴミもラクに回収可能。小サイズは45L、大サイズは70Lのゴミ袋に対応しており、場所や用途に応じて使い分けられます。フレームやベースには耐久性のあるポリ塩化ビニルを採用し、グリップや袋止めには再生樹脂を使用。環境にも配慮した設計で、日常の清掃作業を効率化しながら、ゴミ処理もスムーズに行えます。
マキタ【MUB187DWF】
吹き飛ばしも集じんもこれ1台。コードレスで快適な清掃力
電源の確保が難しい屋外や現場で活躍する、ブロワと集じん機能を兼ね備えたコードレス清掃機器です。高出力のブラシレスモータにより、強力な風量で落ち葉を吹き寄せ、集じん時には金属製シュレッダー刃で粉砕して体積を削減。25Lの大容量ダストバッグとキャスター付きで、安定した収集が可能です。ノズルは身長や作業内容に応じて長さ調整ができ、肩掛けバンドにより長時間作業でも疲労を軽減。マキタ18Vバッテリに対応しており、他機器との互換性も高く、現場の効率化に貢献します。
ケルヒャー【KM70/20C】
ほうきの10分の1の時間で仕上がる圧倒的な清掃効率
作業幅70cmのワイド設計と大容量ダストコンテナを備え、広い敷地の落ち葉を効率よく回収できる手押し式スイーパーです。左右のカーブにも対応し、サイドブラシが隅々までゴミを集めます。ハンドルは身長に合わせて三段階で調整可能で、操作性も抜群。軽量かつ丈夫なプラスチック製ボディは、サビや凹みに強く、屋外でも安心して使用できます。粉塵を抑えるフィルターシステムも搭載しており、周囲を汚さず快適な作業が可能。従来のほうき作業に比べ、最大で12倍の効率化が期待できます。
まとめ
秋になると毎日のように発生する落ち葉は、景観の悪化や排水口の詰まり、滑り事故など、さまざまなリスクを引き起こします。そのため、効率よく落ち葉を回収できる清掃道具の選定は、現場にとって欠かせません。スイーパーやブロワ、チリトリなどを状況に応じて使い分けることで、作業時間の短縮はもちろん、作業者の負担軽減や環境保全にもつながります。最適なアイテムを導入し、秋の清掃作業をより安全・快適に進めましょう。
当社では本コラムで取り上げた商品以外にも、さまざまな清掃・衛生資材を取り扱っております。「用途に合う商品が知りたい」「現場に最適な提案を受けたい」といったご相談にも対応可能です。ECサイトに未掲載の商品もございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。最後までご覧いただきありがとうございました。
